これまでパート1、パート2と職場での人たらしの魅力とその術に学ぼうという記事を書いてきました。
今回は、その3弾です。
と言っても前回登場の同僚「人たらしK」ではなく、新登場「人たらしA」です。
こちらも同年代の同僚でした。
過去形なのは、既にうちの会社を退職して、今は、某社会福祉法人の役員をしているからです。
だから正確には、職場に以前働いていた「人たらしA」に学ぶが正解です。
今振り返るにこの「人たらしA」の方が圧倒的人たらしでした。
豊臣秀吉を人たらしの天才と言うなら、前回登場の「人たらしK」は、人たらしの優等生と言いました。
さすれば、この「人たらしA」は、人たらしの魔術師と言えます。
ということで、今回は、この人たらしの魔術師Aの恐るべき人たらし術について学ぼう篇です。
目次
人たらしAの経歴
Aは、僕より1歳年下ですが、僕の職場には、僕より早く入社していました。
Aは、高卒ということもあり同じ会社に中途採用で入社した僕より、経歴は、長いのです。
僕らの会社は、流通業を生業としています。
よってAは、スーパーマーケット部門のお魚担当や副店長、店長職、または、本社においては、商品企画のバイヤーなどをこなしてきた男です。
経歴としては、30年以上僕らと同じ職場で働いて来ました。
性格は、柔和、温和、面倒見がいい、気配りが出来る、芯が強い、粘り強いという印象でした。
見た目も普段から目じりが下がり、口角が上がっているので、気さくで人懐っこい誰からも愛される好印象の男でした。
もちろん、人たらしの必須要件である
- 人に分け隔てなく笑顔で接する。
- 基本スタンスがポジティブ。
- 面倒見がいい。
- 周りから信頼厚く尊敬されている。
そういうものは、当然のごとく備えています。
そんな人たらしAの人たらし術のエピソード1です。
店長時代の気配りと人心掌握のエピソード
県内中核都市の中規模スーパーの店長時代の話。
お店のすぐ裏には、70代の夫婦が住んでいる一戸建て住宅がありました。
一般的には、スーパーマーケットの裏手ですから、空調システムの大型室外機が配置してあったり、配送トラックの出入り口が近くにあったりと
あまり住宅としての環境は、いいとはいえない場所にありました。
ともすれば騒音等でクレームの出やすい条件の住宅です。
そこで店長のAは、盆、クリスマス、正月、運動会セールといったお店のビッグセールの時は、必ず事前に訪問して迷惑を事前に詫びるようにしていました。
また毎日のように買い物に来られるのですが、常にアンテナを巡らし、来店時には、真っ先にあいさつをしに行くのです。
それも「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは〇〇さん」という風に固有名詞で声をかけるのです。
要するにお店に来店される1人/2000人ではなくて、常に1人/1人の相手として接客するスタンスを貫いていました。
その効果もあってか、その70代夫婦からクレームが来ることは、彼の在任中、一度もなく良好な関係を築いていました。
ちなみにAは、その70代夫婦だけではなく、来店される客の名前を徹底して記憶し、固有名詞で声をかけるやり方で、お店の顧客作りをしていたのです。
客にとっては、お店の店長から「〇〇さんこんにちは」と名前を呼ばれて、本日のおすすめ品などのスペシャル情報を提供してくれるのです。
それって客にとっても特別扱いされているようで、鼻高々で気持ちいいものです。
それこそがAの戦略でした。
スーパーマーケットに来店する動機は、買いたいもの欲しいものが常に品揃えされているかということが一番です。
しかし、もう一つ、その店のおもてなし(言い換えれば接客)に満足できるかというものです。
Aは、まさしくおもてなしを最大強化する戦略で、圧倒的なお店のファン作りを成功させました。
在任中、間違いなく彼の受け持つ店舗の成績は、常にトップクラスを誇ったのです。
これこそがAの描く人たらしの術でした。
人たらしの極意、人心掌握術です。
まさしく人たらしの典型的な例です。
A店長の異動後のエピソード
この人たらしA店長は、3年ほどして隣の市の同じチェーン店の店長として異動になりました。
その時に先ほど登場した以前の店舗の裏手に住んでいた70代夫婦が、わざわざA店長の異動先の店舗まで車を50分も飛ばして、立ち寄ってくれたのです。
そしてお店に飾る観葉植物のプレゼントをわざわざホームセンターで購入して持ってきてくれたとのとこ。
人たらしAが僕に嬉しそう話してくれたのを今でもよく憶えています。
まとめ
人たらしAは、人心掌握の術まで理解し、そして実践できる男でした。
売り場作りは、副店長、野菜、魚、総菜各コーナーなどの担当者に任せて、自分は、とにかく多くの客と1/1の関係を築くことを徹底して店の成績を上げる。
そういうやり方で人の信頼を得る。
いかがでしたか?
やっていることは、特別難しいものでもありません。
少しだけ視点を変えれば出来る術です。
でもこれは、Aのこれまで培ってきた人たらし的行動の長年の積み重ねがなせる技なのです。
一朝一夕には、なかなか出来ません。
人たらしAから得られた教訓は、
- 普段から笑顔で人に接すること。
- 普段から常に周りにアンテナを巡らせていること。
- 普段から分け隔てなく人へ話しかけていること。
- 人や物に対するビフォーアフターを心がけていること。
- 目先のことだけでなく、その先の行く末を頭に描きながら戦略を立てること。
僕は、人たらしAにそういうことを教わりました。
僕自身もまた修行の日々です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
なお、「職場の人たらしに学ぶ1,2」についてもリンク入れときます。
時間のある時にどうぞ(^-^)