これまで職場における「人たらし」の話をして来ました。
一人は、現在も同じ会社に勤めるK。
もう一人は、既に別の職場に転職したA。
いずれも、屈託のない笑顔で周囲を味方につけ、取り込み、敵を作らず、職場の中での地位を確固たるものしていく。
さらにAにおいては、悩める者あらば心のケアまで施し、その先に自分の配下に従える。
人たらしの極みの術まで見せてくれました。
この人たらしの術は、先天的な素養をもっている場合、後天的に主体的に身に付けて行く場合と2つあります。
どちらにしろ人たらし術をマスターすることで、世の中を他の人より優位に生きていけることは、間違いありません。
優位という言葉に語弊があれば、「楽しく、充実の人生を生きる」と置き換えてもいいかもしれません。
今回紹介するのは、番外編です。
僕が車の車検を受けるときにたまたま出会ったある車検センターのⅭ店長のお話です。
このⅭ店長も今考えると、間違いなく「人たらし」でした。
目次
飛び込みで訪れたK車検センターで見つけた人たらし店長
僕は、愛車の3回目の車検を受けるにあたり、車検センターを探していました。
たまたま新聞のオリコミチラシで見つけたカーコンビニ倶楽部系列の車検センターを訪問して、その人たらし店長に会いました。
基本は、愛車の車検ですから、
- 車の点検整備を確実に行ってくれること。
- 車検にかかる費用がリーズナブルであること。
- ごまかしのない誠実な対応をしてくれること。
この3点を注意して見極めて業者を決めるやり方をします。
ところが今回は、1.2もさることながら3の「誠実な対応をしてくれる」店長に見事にたらし込まれてしまいました。
およそ40分程度の滞在時間でしたが、振り返れば見事なⅭ店長の人たらし応対術でした。
僕は、まんまとこの人たらし店長の接客対応に玉砕してしまい車検の契約を結んでしまいました。
笑顔で出迎え
車検センターのⅭ店長は、業界30年のベテラン店長です。
車で到着するや否や、小走りに駆け寄ってきて「先ほどお電話されたにしじゅんさんですね(^-^)」
満面のスマイルで僕の名前を呼んで迎えてくれました。
まあビジネス用スマイルなんだろうけど、作り笑顔でないことは、分かります。
心がこもったスマイルと、取り敢えずビジネスですからのスマイルは、相手の目元、口元を観察すればたいてい分かります。
心のない営業スマイルは、どんなに作り笑顔が上手くても目だけは、笑ってないですからね。
気を付けていたら分かります。
別にこちらも車検センターの店長に心のこもったスマイルなど期待していませんから、どうでもいいんですけど、
それでもあえて心のこもったスマイルで迎えられるというのは、嬉しいものです。
さりげなく褒める
一通り、車の点検を行いその状態の良し悪しについて報告をするためにテーブル席に付きます。
開口一番は、車とは関係ない話題
「にしじゅんさんの今日のファッションは、ランニングというかジョギングで走って来たばかりというスタイルですね」
「キマッテいますよ( ^^) _U~~」
と、その時のオレンジカラーの短パンと濃紺のTシャツ、アディダスのランニングシューズという僕のスタイルからそう褒めてきたのです。
別にこの格好でランニングして来たわけないのですが、当日早朝、いつもの5kmランニングは、やって来ていますので、そんな風に言われると
自分の趣味を褒められたような気がして、気分が高揚させられたのは、事実です。
共通の話題で共感させる
その後、具体的な車検の手続き、ブレーキパッドが消耗しているので交換が必要だの、タイヤの溝がヤバいだの、かかる費用等を丁寧に分かりやすく説明していただきました。
また、こちらの車検に関する小さな疑問、理解できない点なども、適切にとらえて、終始にこやかな笑顔を絶やさず説明してくれました。
そして一通り説明が終わったあとで、
出身地を聞かれました。
僕「市内の〇〇町です」
Ⅽ店長「〇〇町ですか。だったら中学は、△△中ですね。あそこは、当時マンモス中で1学年22クラスもあったでしょう?」
僕「その通りですよ。なんでそんなことまで知っているんですか?」
Ⅽ店長「知り合いが△△中の出身ですから、昔から聞いていました。あの当時は、野球部が強かったですよね?」
と、次々と畳みかけるように共通の話題を見つけて、僕の懐に違和感もイヤミもなく入り込んで来るのです。
もちろん、それぞれに共感を加えて、同調してくるのです。
そのあとも、ランニングの話やら、減量の話やら、ゴルフの話題までふれて来て、お互いに共通点、共有点を見つけて、盛り上がってしまったのです。
ていうか、いつの間にか僕の方が、盛り上げさせられたというのが正解かもしれません。
それでも不愉快や嫌味な気持ちは、微塵もなく、むしろ話の分かる、共通部分の多い、そして誠実であるというプラス評価が僕の中では、うなぎのぼりに上がっていったのです。
結局、この車検センターのⅭ店長の人柄に魅せられて、信頼に足る人という印象を受けて、車検の契約をしてしまったという次第です。
わずか1時間足らずの時間に見事にたらし込められてしまったのです。
まとめ
どうですか?
今回の場合は、見事なまでのビジネススキルとしての人たらし術です。
まんまと僕は、引っかかってしまいました。
でもこれは、だまされた訳でもなく、この車検センターのⅭ店長の人柄に魅せられて決めた契約です。
このⅭ店長なら愛車の車検整備を任せて十分信頼できると納得させられました。
表面的を取り繕って、愛想よくしてビジネスで成功することは、単発としては、あるかもしれません。
でも長い目でみたら、続きません。
今回のⅭ店長のスタイルは、
- 客に分け隔てなく笑顔で接客する。
- 客の目を見て、話をよく聞き、的確な回答をしてくれる。
- 相手の長所を見つけてとにかく褒める。
- フレンドリーな接客で、初めての客なのに最高の「お客様」として、もてなしてくれる。
この4点に集約されます。
なんだ、これって、当たり前の基本的な接客法じゃん!と思われるかも知れません。
でも実際に徹底してこの4点をやれるビジネスマン、営業マン、店員さんは、そうそう多くありません。
そういう意味で、この車検センターのⅭ店長は、人たらし術を極めたお手本であり、僕にとっては、尊敬に値する人でした。
次回車検も多分、ここに頼むかもです(^-^)