こんにちは、中年ブロガーのにしじゅんです。
今回は、少しびっくりする話題です。
人を殺傷する道具である銃器(ピストル、ライフル、自動小銃、機関銃)を溶かし金属にして、それを素材に腕時計を製造する話です。
先日、夏目三久さんの朝の情報番組でも紹介されていますので、ご存知の方もあろうかと思います。
スウェーデンの時計メーカーTRIWA(トリワ)は、世界の紛争地域や途上国などで使われる違法銃器が回収された後、それを溶かして出来た金属(ヒューマニウム)を原料にした腕時計を製造販売しています。
これは、国連が推奨するSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みにも同調する取り組みです。
TRIWA(トリワ)は、SDGsの取り組みにたいして興味を示さない若い世代にも、違法銃器がおしゃれな腕時計に生まれ変わるという驚きの出来事を知らせることを通して、社会啓発、平和運動、銃被害者支援などの社会貢献を果たそうとしているのです。
こんな方におすすめ
- 腕時計と違法銃器撲滅の関係?なんだそれ?と疑問を持つ方へ
- ヒューマニウムというリサイクル金属とは何ぞやと疑問を持つ方へ
- SDGsとは、なんぞや?と知りたい方へ
目次
銃器を溶かした金属(ヒューマニウム)がおしゃれな時計に変わる
TRIWA(トリワ)は、もともとスウェーデンを本拠地とする人気の時計ブランドのメーカーです。
そのTRIWA(トリワ)がその腕時計の素材をある意外なリサイクル金属を原料にしたことから大きな話題になりました。
その素材が違法銃器を溶かして出来た金属(ヒューマニウム)というわけです。
※違法銃器の定義は、正規のルートで製造されていない銃器、または、正式に登録されていない銃器等を指す言葉とのことです。
TRIWA(トリワ)2019年の2月にこのヒューマニウム素材の腕時計の第一号を発売しています。
文字盤にヒューマニウムが使われ「Humanium」のロゴがあしらわれています。
この由来がわからないと、「何のロゴ?」ってなります。
でも、違法銃器を溶かした金属であることを理解すると、これは、素晴らしく意義のある時計だということに気付くのです。
さらに、この腕時計の所有者は、あとで説明するこの時計の役割を理解すると、自分自身が社会に貢献できていることも実感出来るのです。
SDGsって何?
SDGsって最近やたらとテレビ、新聞等で出てくるワードですよね。
きちんと説明すると長くなるので、簡単にまとめます。
フルバージョンで書くと
Sustainable Ⅾevelopment Goalsです。
日本語で書くと「持続可能な開発目標」となります。
世界を悩ます様々な課題を解決し、より良い未来を迎えるために、国連が掲げた17の「持続可能な開発目標」ということです。
17の目標とは?
1.貧困をなくそう。2.飢餓をゼロに。3.すべての人に保健と福祉を。4.質の高い教育をみんなに。5.人や国の不平等をなくそう。6.平和と公正をすべての人に。etc・・・中略と続いていきます。
これらの目標実現に向けて世界中の多くの公的機関、企業、非営利団体(NPO)がかかわり、幅広い様々な取り組みを行っています。
今回のTRIWA(トリワ)の取り組みもその中のひとつです。
時計素材を銃器由来の金属(ヒューマニウム)とすることで、世界中に大量に流通する違法な銃器の撲滅、そして銃器を使用した悲劇の撲滅に一役買おうというものです。
これは、SDGsが掲げる<平和と公正をすべての人に>の目標に合致する取り組みです。
世界では、違法銃器により1分にひとりが殺されている
世界には、何百万丁という違法銃器が出回り、その銃器により1分に一人の割合で殺されているというデータがあります。
これは、年間で50万人、1日あたり1500人もの人たちが殺害されていることを意味します。
特に発展途上国では、違法銃器の使用により多くの悲劇が繰り返されており、暴力の終わりのない連鎖が今もなお続いているのです。
ヒューマニウムとは?
「ヒューマニウム」と呼ばれる金属は、世界中に出回る不法取引された銃器を回収し、解体、鉄が含まれる部分を集めて溶解し、平和への糧としてリサイクルされた金属なのです。
この銃から取り出した金属(ヒューマニウム)を材料として、平和利用の商品として製品化していこうというプロジェクトがあります。
この活動を主体的に行っているのがスウェーデンのNPO法人「IM Swedish Ⅾevelopment Partner」です。
ここは,世界的な平和活動家、専門家、そして政府機関などの支援により運営されています。
具体的な活動は?
上のイラストが、活動の流れをシンプルにあらわしています。
発展途上国で使われる違法銃器を金属(ヒューマニウム)に変え、腕時計として再生させる活動です。
主体的には、IM Swedish Ⅾevelopment Partnerがこの活動を行っています。
世界の永続的な発展のため、平和な社会の実現を目指す国連の活動SDGsの達成をサポートすることを目的にしたプログラムのひとつです。
今回紹介しているTRIWA(トリワ)のヒューマニウム腕時計は、そのコラボレーションとして製品化されたものです。
最終商品として販売された収益の一部を銃被害者への支援金として使われ、また次の銃器回収活動への資金としても充てているのです。
これらの活動の展開地域は、ホンジュラス、ベネズエラ、スワジランド、グアテマラ、コロンビア、フィリピン、南アフリカ、メキシコ、ジャマイカ、ブラジル、パナマといった中南米、アフリカ、東南アジアといった国々です。
まとめ
いかがでしたか?
こんな活動が行われていたなんてびっくりしますよね。
人を殺すための道具がおしゃれな腕時計に変わるなんて。
しかも、そこから得られた収益が銃被害者の支援のために使われること。
さらに違法銃器回収のための資金として使われること。
発展途上国などで常態化している不条理な暴力、人種差別、貧困、飢え。
僕らの住んでいる世界には、いまだに想像を絶する悲劇が数多く存在します。
今もこの記事を書いている数時間の間に数百人の人々が銃器の犠牲になっている事実があります。
コロナ禍とはいえ、まだまだ平和な日本にいると、とても実感できない世界です。
今回を機にヒューマニウムの腕時計を買いましょうと短絡的に言うつもりは、ありません。
でも、こういう活動が行われているということを僕らは、もっと広く世の中に知らせて行かなければ!!
そんな衝動で今回の記事を書きました。
製品紹介
品番:左からHU39D-CL080912、HU34D-SS080912
価格:各35,000円+税
Chronograph Collection
品番:左からHU39GCS-CL080912P、HU39GCS-CL080112P
価格:各48,000円+税
Automatic Collection
品番:左からHU39GAS-CL080112P、HU39GAS-SC010212P
価格:各80,000円+税
※本記事の画像とイラストは、PR TIMESのプレスリリースを引用しています。